馬毛島の地主が島を中国に売るという

馬毛島とは、鹿児島県の種子島西方、12キロメートルの東シナ海上に浮かぶ島です。

馬毛島から人の姿が消えてほぼ半世紀過ぎたといわれています。

馬毛島を巡って所有者と防衛省の攻防が続いているそうです。

きっかけは、所有者が「この島を中国に売る」と言い出したことからでした。

馬毛島の名の由来は、ポルトガル宣教師たちが鉄砲とともに渡来させた馬を養っていたことからだそうです。

ニホンジカの亜種で同島にしかいないというマゲシカがいます。

無人島としては国内で2番目に大きい周囲16キロメートルだそうです。

馬毛島を99.6%％所有するのは、採石販売会社「立石建設工業」会長の立石勲さんです。

石立勲さんが、「中国の企業が何社か接触してきている。日本の対応次第では売ってもいい」と発言したそうです。

馬毛島の周辺には佐世保や沖縄などの米軍基地があって地政学上、非常に重要な場所です。

ここを本当に中国に取られたら国防上、危機的な状況に陥ると省内で危ぶむ声が高まっています。

馬毛島は過去、幾度となく米軍によって軍用化が検討されていました。

2008年、米軍厚木基地の空母艦載機の夜間離着陸訓練の候補地として馬毛島の名前が浮上しました。

訓練区域の一部に屋久島が入ることから自然環境に配慮して断念しました。

米軍普天間基地の移転問題で、鳩山由紀夫元首相が移転先として徳之島を挙げる前に、閣内で最初に検討されていたのが馬毛島だったそうです。

沖縄本島から遠いことで立ち消えになりました。

日米外務・防衛担当閣僚会合でも米軍による空母艦載機発着訓練の候補地として取り沙汰されています。

所有者の立石勲さんに交渉を持ちかけてきたのは、上海の不動産開発会社と同じく上海のリゾート開発会社の2社です。

両者とも、中国当局の息のかかった企業とみて間違いないです。

立石勲さんに馬毛島購入を勧めたのはたまたま知り合った防衛省幹部OBだったそうです。

馬毛島が将来的には日本防衛の有力な基地になると語ったそうです。

立石勲さんは自ら率先して住民票を馬毛島に移し、資材を投じて滑走路建設に着手し、投じた金額は150億円にも上るそうです。

2008年に立石さんは日本政府から内々に「馬毛島を日本政府に譲渡してほしい」との申し出があったそうです。

立石さんは「譲渡ではなく貸し出しならば交渉してもいい」と回答したそうです。

これまで馬毛島内の整備にあたって立石さんは一銭の補助も受けていない。

投資額を回収するために、できるだけ政府からお金を引きだそうとしたんです。

状況が切迫していた尖閣諸島の場合、日本政府は地権者の言い値で買い取ったといわれる。

馬毛島も日本政府が高値で買い取るはずと踏んだ立石さんの読みは外れてしまったようです。

当時の防衛大臣の北澤俊美氏が自ら立石さんとの交渉にあたり、具体的な金額提示まで行い、立石さんもいったんは売却に気持ちが傾いたようです。

しかし、その金額は150億円も島に投資した立石さん側の希望と余りにかけ離れていたそうです。

明らかにされてはいないが、50億円にも満たない金額だったようです。

現在では立石さんは再び、「賃貸でなければダメだ」と言い出したそうです。

立石さんは、途方もない私財を投じているため、いつ中国側に売り渡してもおかしくないです。

現在では、防衛省内部に秘密裏に「馬毛島対策室」ができ、立石さんサイドの動きを逐一チェックしているそうです。

外国企業が離島を買うとなっても法的に禁止することができません。

日本の法体系の中には買った土地に対する禁止条項がないです。

通信施設が作られたとしても、国として強制的に立ち入り調査することはできないんです。

外国企業に島を買い取られた場合、島を日本の監視下におくことは現実的に難しいです。

尖閣諸島だけでは終わらぬ日本の問題がまだそこにあります。

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